ディジタル・イメージ1999東京展報告書・開催概要(会期/場所/協賛・協力各社/出展者/来場者数)・東京展について アンケート回答分析 ・展覧会を何で知ったか? ・来場者層の分布(年令/職業/学校別) ・来場者のコメント(会場/展示全般/設営/その他)
■ディジタル・イメージ1999東京展概要 |
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銀座会場/撮影:松本明彦 |
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主催 ディジタル・イメージ 特別協賛 銀座ワシントン (財)ニューにいがた振興機構 表参道・新潟館ネスパス 協賛 アップルコンピュータ株式会社 株式会社イマージュ 株式会社インプレス エプソン販売株式会社 NTTソフトウェア株式会社 株式会社シーシーエー 株式会社シフカ 株式会社スプーン デジタルハリウッド株式会社 株式会社リクルートコンピュータパブリシング マイクロソフト株式会社 株式会社ワコム
協力
■銀座ワシントン会場参加者(99人)
■表参道ネスパス会場参加者(32組33人) | |||||||
■入場者数
銀座会場 約3700名 表参道会場 約3100名 合計 約6800名(1998年は5247名) |
銀座会場/撮影:松本明彦 | ||||||
■東京展、初めて2会場同時開催 東京展は結成以来ずっと銀座のワシントンアートの支援で開催しており、ゴールデンウィークの銀座名物としても定着しています。ただ、参加アーティストが50名を超えたあたりから、毎年これが限界だというくらい過密したレイアウトで展示を続けてきました。今年はとうとう結成当時の5倍、約150名となり作品は300点が予想され、もはや満杯というときに財団法人ニューにいがた振興機構 表参道・新潟館ネスパスの協力を得て、2会場同時期開催というすばらしい展示が実現しました。 |
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表参道会場 |
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表参道と銀座と、作品をどう振り分けるかという、むずかしくも楽しい展示設計を行なった結果、銀座ワシントン会場は従来通りの静止画中心で、出力サイズは作家任せの展示とし、ひとりあたりの展示面積を制限しました。結局、99人の作家が参加しました。表参道ネスパス会場は、おもに出力サイズをB1に統一できる作品の展示と、キャラクター系、美少女系の作品および大型シリーズ作品などの展示とし、銀座ワシントン会場との差別化をはかりました。32組33人の参加でした。 特別企画として、ネスパスとワシントンアートの2会場を観覧した人には特製のポストカードセットをプレゼントし好評を得ました。ただ、アンケートの回答を見ると、2会場に分離したことには賛成と反対の意見が相半ばでした。地下鉄銀座線で1本の便利なルートでしたが、2会場回るのはたいへんだという声はけっこうありました。運営する側としても、両会場の受付の手配をはじめ負担はかなり感じました。2会場に分離したことにより、1会場では収まりきれない作品数をなんとか収容するという問題はクリアできましたが、同時期に2会場の運営については今後の課題となるでしょう。
大阪会場(大阪府立現代美術センター)では毎回セミナーをおこなっていますが、東京ではスペースの都合で開かれていませんでした。今回は、新潟館ネスパス3階の会場を借りて、5月1日に初めてのセミナーを開催しました。テーマは「なぜポリゴン美少女なのか?」というもので、いまトレンドになっている3DCGによる美少女の制作について、5人の作家を招いて座談会をおこないました。ここは約100人を収容できる会場でしたが、満員立ち見も出るという盛況でした。 |
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美少女CGセミナー |
表参道会場 |
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展覧会広報活動は、従来とおり情報雑誌「ぴあ」をはじめ、ディジタル関連の雑誌に資料を送ったほか、インターネットも積極的に活用しました。ディジタル・イメージの公式サイト以外にも、多くの会員作家が自分で開いているホームページに掲載され、さらにいくつかのWebサイト、メールマガジンなどで紹介されました。デジタルアート系の大学、専門学校にもDMを配布しました。 アンケートの回答をみますと、友人知人からの情報により展覧会を知ったというのがもっとも多く、次いで学校の告知、会員作家からのDMとなっています。観客の男女比の集計はありませんが、観測ではだいたい男6女4という構成で、とくに男女の差はないと感じられます。年齢は20代前半がもっとも多く、職業は学生や会社員が多いようです。
■アンケート回答から
(展示全般)
(設営等)
(映像展示)
(平面展示)
(インフォメーション他)
(そのほか) ・デジタルということで、何かメカニカルな側面を強調しすぎているようだ。 ・デジタルなのだから、もっとデジタルな物が多いほうがいい。アナログ風にするならアナログでやったほうが印象が強いと思う。 ・デジタルを極めると、ある意味アナログになるのだなぁという感じがした。 ・デジタルというくくりだと本当に色々で、行く末は遥かかなた、もはやこういうテーマで展覧会が開催し得た事さえなつかしくなることは確実のように思います。これからもっと面白くなるメディアですね。 ・毎回2回は見ているが、毎度『この作品ここに前も出てたっけ』と感じる作品が多い。見たその場では目立つのだが、すぐにその存在を忘れてしまう。だからと言って印象に残っている作品が好きかと言われるとそうでもない。同じような傾向の作品が多いからなのか。 ・はじめてきたのですが、方向性の違う方達の作品はとても刺激でした。これからもたくさんのカラフルな作品をつくってください。 ・おおかた同じソフトで作るならば、テクニカルな作品よりもコンセプチャルな作品の方がメッセージ性は増す。テクニカルな苦しみは制作者の問題である。ならば「がんばりました」という作品より、「君はどう思う?」という作品が好ましい。ネスパス会場の一階はテクニカル、B一階はコンセプトという分かりやすい構成のように思い好感を持つと同時に、明確な一つのコンセプトを持つ作品が少なかったように思う。多分皆さんいいたいことが多いのだろう。またその通りの感じも楽しかった。 ・デジタルは人間の素の芸術感覚を阻害するものという思い込みがどこかにあったが、人工的なものも使いようでかっこいいと思った。 ・ちょっとモダンな雰囲気過ぎて今いち馴染めなかった。 ・今度はあるテーマについての各々の作品が見たい。 ・高校生の時から見学会などで毎年見に来ていたので、なんとなく今年も来ちゃいました。何回見ても、やっぱりCGすごいなーキレイだなーてホレボレしています。 ・毎年来ているので、たぶん今年もやっているだろうと思い来てみた。 ・毎年楽しみにして拝見させてもらっていますが、何か2〜3年前の迫力というか元気が伝わってこないのは何故でしょうか? いい意味で実験集団であるべき形態が、技術集団に固まってきだしてしまったのか。作品の大方がなんらかの亜流であることが容易にわかり、作品からくる作家の意識、こだわりみたいなものが希薄に感じられます。また、個人的に好きでないゲームの世界のキャラや背景っぽい作品も増え過ぎており、狭い世界を感じおもしろくありません。もっとCGの特別な技術としてとらえることなく、広い発想のもとシャレた表現展開、人の暖か味を感じるシカケ、気分よくうなずけるトリックの要素、などうまく言い現せませんが、もっと作品に意志を持たせてほしいものです。どんどん進化増殖するソフト群に圧倒されることなく、がんばって下さい。今回銀座、表参道2つの会場を観せていただきましたが、銀座会場で拝見した富岡聡氏の「SiNK」には大いに感動いたしました。かゆいところに手が届く、気持ちの動揺、心情がわかる表現には思わずフッと笑いが込み上げてきました。 ・見に来た人間と作った人とが交流できる工夫があればさらに良い(あるのかも知れませんが)。 |