ディジタル・イメージ2001東京展報告書
■挨拶 1 私たちディジタル・イメージは、昨年末から今年1月6日まで中国の北京で初の海外展を開催し、大きな成功をおさめました。私たちは20世紀から21世紀にまたがる会期で、新世紀への架け橋になるような展覧会にしたいと願い、中国側は熱意をもってそれに応えてくれました。 新世紀の幕開けに、あらためてアジアの存在、その一部である日本を実感した有意義なひと時でした。その後のさまざまなご縁がうまく重なり、この度中国・韓国・日本 の交流展を開催するに至りました。アーティストの熱い思い、国境を越えた人々の好意と協力により、ひとつの目標に向かって力強く前進できました。 いま私はアジアの新しいうねりを身をもって体験し、これをより確かなものにしていく使命と自信を強く感じております。初めての試みである3カ国の作家による今回の展覧会が、好評のうちに無事終了いたしましたかげに、多くの方々のご理解とご協力があります。一つ一つ思い浮かべ、感謝の気持ちでいっぱいになります。本当にありがとうございました。 今後とも、皆様のご協力とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
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■挨拶 2
我々は、今回の東京ディジタル・イメ−ジ展を通して、アジアのアーティストたちが交流することによって未来志向的な発展の可能性を確認することができました。今回の展覧会で日本・韓国・中国の作家たちの多様な作品を見ながら、新しい時代のアーティストたちのデジタル創作の方向性と未来像を感じました。いろいろな作家達との交流をとおしてお互いに刺激しあい、互いの発展を模索できた意義ある展覧会だったと思います。ありがとうございました。
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■開催概要
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■特別セミナー ディジタル・イメージ2001東京展特別セミナーを、4月28日(土)午後、新橋の徳間ホールで開催しました。ふだんは映画の上映が行われるというだけあって、映像の上映効果は満点、3か国交流セミナーの会場として、ホスト側として自慢できるような設備、雰囲気でした。残念ながら広報が行き届かなかったこともあり、会場の椅子を全部埋めることはできませんでした。司会は運営委員の川口吾妻。中国、韓国、日本の順で講演、上映が行われました。 中国 張駿(Zhang Jun)氏は1954年上海生れ。北京中央美術学院卒業。フランスに留学、CGを学ぶ。北京中央美術学院副教授電脳美術工作室主任を経て、現在、北京放送学院アニメ学院副教授。演題は「中国デジタルアートの現状」。CGが使われている現状のレポートで、日本語による画面プレゼンテーションが行われました。教育分野、映画とテレビ、代表的な制作会社、出版物、コンテスト、交流活動などがわかりやすく語られ、中国のCGの現状が理解できました。問題点として、技術と芸術の接点にギャップがあること、アーティスト・クリエイター団体の国内・国外との交流の不足があげられていました。2008年の北京オリンピック招致のためのCGアニメーション映像を中心に、動画の紹介がありました。 韓国 まず、ho il,YANG ハンヤン大学応用美術学部教授の挨拶がありました。YANG氏SDIA(ソウル デジタル イラストレイターズ アソシエイション)と、SDFS(ソウルデザイン フォーラム ソサエティ)両者の代表です。 講演は、sun yong,KIM氏。ホンイク大学で、学士号を取得。ヨンセイ大学で伝達学および美術の修士号を取得。現在、LG電子デザインセンターのプロダクトデザイナー。 D.I.C,CA. Pre-Production キャラクターデザイナー。ハンヤン大学で応用美術部の講師をなさっています。演題は「韓国におけるコンピュータグラフィクス界の適用事例」。代表的な制作会社の作品紹介ばかりでなく、各社の代表にインタビューしたビデオを上映しながらの講演で、今回のセミナーのために特別に編集制作されたようです。わたしたちになじみの深いTVCMのいくつもが韓国で制作されていたとは驚きでした。現在は、デザイナーにとってはアナログからデジタルへの乗り換えの時代で、アナログ世代は悩み多いとのことです。 日本 河口洋一郎氏は、現在、東京大学大学院情報学環教授で、日本を代表するCGアーティストです。演題は「日本のデジタルアートの可能性」。大学院情報学環の紹介のあとは、アジアのデジタルアートにたいする熱烈なメッセージでした。なぜか世界がハリウッド的なものをまねしているが、ネットの時代である現在は一番いいものしか残らない。だからこそ、欧米の真似ではなく、アジアのそれぞれの国独自の文化を大切にして、他に類型のない作品を作ることが大切である。デリケートなセンス、優れた自然観など、アジアの強い遺伝子を!。今回のイベントは、アジアグラフ第0回と位置づけてよいと思う。歴史に残る快挙である。これがきっかけとなり、アジア圏の交流が深まることを期待する。という内容でした。上映された新しい作品は、物質と反物質のたたかいという壮大なテーマで、3か国のアーティスト・クリエイターは熱心に鑑賞していました。 |
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■レセプション セミナーのあとは、会場を銀座高松に移し、来日された中国・韓国のアーティスト、日本側の来賓、運営委員など約50名が一堂に会するレセプションが行われました。勝井三雄氏も途中から参加されて、河口洋一郎氏と一緒に中国、韓国の訪日メンバーと何度も記念写真におさまり、また両氏は彼らからのいろいろな質問にていねいに応じ ていました。 日本側来賓として、社団法人日中協会常務理事・白西紳一郎氏、財団法人画像情報教育振興協会専務理事・秋葉俊幸氏、日経BP社 WORLD PC EXPO事務局長・土屋悦則氏からスピーチをいただきました。中国語、韓国語、英語、日本語が飛び交い、満足なコミュニケーションがとれなかったかもしれませんが、それなりに交流が深まったと感じます。中国から10名、韓国から21名の参加がありました。 |
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■展覧会会場のようす
中国、韓国からの作品がB1サイズで49点、日本の作品もB1サイズで47点あります。中 国、韓国からはデータだけを送ってもらい、セイコーエプソン株式会社のご協力で49点のすべてを出力しました。このデータはほんらい作品集用のもので、サイズが小 さすぎるのもありましたが、B1の中に複数点を配置するなどして、パネルのサイズは 統一しました。 今回は壁面を特設しませんでした。日本の作品は周囲の壁面全面に、作品の裏面に発 泡スチロールをかませて、浮かせて展示しました。中国、韓国の作品は3点1組にして 三角形に組合せ、天井から吊るのがメインで、吊れないところではスチロールの台を 設けて上に載せ、あるいは柱の周囲に浮かせて巡らせました。立体的な面白い展示に なりましたが、冷房の風でやや揺れたり、人がぶつかることもあったようです。 会場のほぼ中央に丸い大きなテーブル状の台を設け、アップルのiMacを5台セットし ました。ここでは、B1静止画の展示に参加していないアーティストの作品も見られます。データベースをHTMLで50音順に組み上げ、検索できるようになっています。観客が多いときは順番待ちになりました。 また、会場のコーナー3箇所には、アップルの G4 Cubeとスタジオディスプレイのセットが3つあり、会員0000名のつくったアニメー ションを見られるようになっています。自動的にエンドレスで流れるものと、作家を 選択して作品を見られるものとがありました。 小会場の方は、まずプロジェクタで動画の大映写がおこなわれています。5人の作家 の作品は合計で35分間、見応え充分でした。また、エプソンのPCが5セット設置され、iMacと同じく、会員作家の作品を検索して見られます。 そして、インタラクティブで楽しめたのが、出渕亮一朗さんの「Dog'N'Dhole」。画面の不良がかった犬が、 前にすわる観客に話しかけ、いろいろな対応をする面白いプログラム。とくに子供の人気者でした(親子連れの多いのもこの展覧会の特徴です)。 |
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参加アーティスト 日本 ・静止画B1作品 雨宮由里子 石川浩二 井上和洋 岩渕泰治 岡達也 小笠原たけし 加藤俊明 叶精作 川本O.規子 岸啓介 北岡久美子 木村智博 國島宣弘 楜沢順 桑島幸男 小澤貴也 齋藤 浩 鈴木 守 成 光雄 関谷哲史 ソネハチ タカセマサヒロ 瀧澤謙司 武田瑛夢 田中修一郎 ダバカン 所 幸則 富岡 聡 ドルバッキーヨウコ 中川悠京 永吉克之 七水号多 花山由理 HAL 檜山 巽 松林あつし 松本明彦 三河一郎 武藤 修 村上佳明 望月澄人 山田真屋 山本里士 弓田純大 吉井 宏 ラジカル鈴木 Rey.Hori 渡辺秀樹 ・プロジェクタ上映作品 ・パソコンでの静止画作品
・インタラクティブアート
中国 韓国 | |||||||||||||||||||||
■展覧会入場者数 合計約3900名 ▼昨年、一昨年にくらべて観客の人数は増加しています。企画の新規性、広報の力の いれ具合、そしてゴールデンウィークの構造などが要因とみられます。たえば昨年は 大型連休となったため、展覧会より郊外へという傾向があったように思われます。今 年は平日が2日間はさまれていたため、特にその日に観客が多かったようです。 |
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■広報の実績 事前の記事掲載 ・MdN 5月号 ・朝日新聞マリオン ・ぴあ ・週刊宝島 ・日経デザイン ・イラストレーション(玄光社) ・CG WORLD(ワークスコーポレーション) ・チャイニーズドラゴン新聞 ・メールマガジン 日刊デジタルクリエイターズ ・メールマガジン インターネットウォッチ ・メールマガジン デイリーM ・イベントNAVI(乃村工芸社) ・メールマガジン Art&ScienceNews ・メールマガジン ちょっと知的なエンターテインメント ・メールマガジン SANYO iDshot Mail ・メールマガジン MacWIRE Express ・All about JAPAN/CG ・All about JAPAN/Virtual Beauty ・All about JAPAN/韓国インターネット 事情 ・All about JAPAN/中国 ・メーリングリスト Media ・Studio MOMO ・ジャパンデザインネット DESIGN EVENT ACE ・中国情報局SEARCH CHINA ・C-en mail service DMの配布 ワシントンアート、イマジナリーガーデン路地裏の動物園展会場、デザインテクノロジー専門学校、新宿-ScottRossDIgitalSchool、東京工業専門学校、デジタル東京専門学校、京都嵯峨芸術大学短期大学部、東京デザイナー学院、千葉商科大学、千代田工科芸術専門学校、朝日新聞社、デジタルハリウッド@東京校、DH@渋谷、DH@横浜、ギャラリーハウスMAYA、ピンポイントギャラリー、ニチメンマシナリー、アースディイベント会場、WAO!新宿校、WAO!横浜校、WAO!大阪校、WAO!神戸校、WAO!京都校、札幌市立高等専門学校、藤井啓誌個展会場、お茶の水美術専門学校、女子美術大学メディアアート学科、インプレス、MdN、山脇美術専門学校、都立工芸高校、大阪府立現代美術センター、阿佐ヶ谷美術専門学校、中央美術学園、日本デザイナー学院、日本工学院専門学校、東洋美術学校、東京ミュージック&メディアアーツ尚美、東京デザイン専門学校、桑沢デザイン研究所、アーバンデザインカレッジ、日本電子専門学校、横浜デジタルアーツ、バンタンデザイン研究所、バンタンキャリアスクール、総合電子専門学校、インターメディウム研究所、アルスコンピュータ専門学校、東京ビジュアルアーツ、ITC、第13回CGアニメコンテスト入選作品発表会会場、出展作家、そのほか 約18000枚を配布 事後の記事掲載 ・Agostoデザイングラフィックスで特 集12ページ ・WinGRAPHICS(エムディエヌ) ・MdN ・CG WORLD テレビの取材、放送 ・NHK総合 ニュース 4月29日放送 ・NHK BS 真夜中の王国 5月2日放送 ・テレビ朝日 D's Garage21 6月放送 予定 |