ディジタル・イメージ2001東京展報告書

・挨拶 1
・挨拶 2
・開催概要
・特別セミナー
・レセプション
・展覧会会場のようす
・展覧会入場者数
・広報の実績
・アンケート分析(計205)
・挨拶 3


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■挨拶 1
私たちディジタル・イメージは、昨年末から今年1月6日まで中国の北京で初の海外展を開催し、大きな成功をおさめました。私たちは20世紀から21世紀にまたがる会期で、新世紀への架け橋になるような展覧会にしたいと願い、中国側は熱意をもってそれに応えてくれました。
新世紀の幕開けに、あらためてアジアの存在、その一部である日本を実感した有意義なひと時でした。その後のさまざまなご縁がうまく重なり、この度中国・韓国・日本 の交流展を開催するに至りました。アーティストの熱い思い、国境を越えた人々の好意と協力により、ひとつの目標に向かって力強く前進できました。
いま私はアジアの新しいうねりを身をもって体験し、これをより確かなものにしていく使命と自信を強く感じております。初めての試みである3カ国の作家による今回の展覧会が、好評のうちに無事終了いたしましたかげに、多くの方々のご理解とご協力があります。一つ一つ思い浮かべ、感謝の気持ちでいっぱいになります。本当にありがとうございました。
今後とも、皆様のご協力とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

ディジタル・イメージ 代表 長田智行


■挨拶 2
中国のCG作品は初めての海外出展、中国のアーティストとクリエイターたちは初めての日本訪問。第一回目の日本・中国・韓国CG交流活動を開始することができ、嬉しく思います。私の長い間の夢を実現させてくれたのは、長田様をはじめ、ディジタル・イメージ運営委員会の企画と努力のおかげです。心より感謝申しあげます。
銀座での展示会、立派な徳間ホールでの講演会、2回のパーティ、いずれも準備が行き届いていました。出力のクオリティは高いし、会場のアレンジはきれいでしたし、またコンピュータによる検索システムもとても便利でした。
日本、韓国のCG仲間との交流、若者を中心とした会場満員の熱烈なパーティー、予てから尊敬する河口洋一郎先生、勝井三雄先生との面会などなど、いい思い出が沢山できました。今回の訪日に対して、皆大満足しました。
ただ残念なのは、通訳と宣伝の不足です。講演会の会場では同時通訳ができないので、素晴らしいスピーチと思いますが、残念ながらほとんど分かりませんでした。展示会についての宣伝が不足だと思ったのは、都内の美術館や博物館を見学した時、今回の展示会のポストカードを殆ど見かけなかったからです。
帰国して、訪日団のメンバーは反省会を行ないました。30人程が集まってきて、皆興味津々訪日の報告を聞きました。これからも、勉強と交流のチャンスをつくれるよう協力しましょう。
ディジタル・イメージの皆様にもう一度御礼申し上げます。

張 駿(中国アーティスト訪日グループを代表して)

我々は、今回の東京ディジタル・イメ−ジ展を通して、アジアのアーティストたちが交流することによって未来志向的な発展の可能性を確認することができました。今回の展覧会で日本・韓国・中国の作家たちの多様な作品を見ながら、新しい時代のアーティストたちのデジタル創作の方向性と未来像を感じました。いろいろな作家達との交流をとおしてお互いに刺激しあい、互いの発展を模索できた意義ある展覧会だったと思います。ありがとうございました。

梁 浩一(韓国アーティスト訪日グループを代表して)


■開催概要
DIGITAL IMAGE 2001 TOKYO ディジタル・イメージ 2001 東京展
【中国 韓国 日本 ディジタル・アートの現在】

会 期 4月29日(日)〜5月5日(土)午前11時〜午後7時
(最終日午後6時終了)
会 場 銀座ワシントンアート
〒104-0061 東京都中央区銀座5-7-7 銀座ワシントン7F
地下鉄銀座線銀座駅A2出口徒歩1分/JR有楽町駅銀座口出口徒歩7分
03-3571-8532(会期中)
主 催 ディジタル・イメージ
後 援 中国大使館文化部
韓国大使館
社団法人日中協会
CG-ARTS協会(財団法人画像情報教育振興協会)
財団法人デジタルコンテンツ協会
特別協賛 銀座ワシントン
協 賛 アップルコンピュータ株式会社 株式会社イマージュ 株式会社インプレス
エプソン販売株式会社 株式会社エムディエヌコーポレーション
大平 裕(大平事務所代表) キ ヤノン株式会社 株式会社シフカ
セイコーエプソン株式会社 デジタルハリウッド 株式会 社ナムコ
デジタルクリエイターカレッジWAO!
古川 享(マイクロソフトコーポレー ション副社長)
株式会社マルチメディアセンター 株式会社ワコム
協 力 ソウル ディジタル イラストレーターズ アソシエーション
北京中央美術 学院電脳美術工作室 上田市マルチメディア情報センター
日刊デジタルクリエイターズ
入場料 無料
展示内容 中国、韓国のアーティスト計51名、日本のアーティスト47名の作品を
パネル展示、プロジェクタで5名の動画を上映、19名のアニメ作品をマックで展示、静止画作品をiMACおよびエプソンPC各5台で展示 (会員、中国、韓国作家 合計215名578作品) インタラクティブアート1点
特別企画

セミナー「中国 韓国 日本ディジタルアートの現在」

日 時 4月28日(土)14時〜17時 開場13時30分

会 場 徳間ホール 港区東新橋1-1-16 徳間書店本社ビル
    03-3573-0311

講 師 河口洋一郎・東京大学大学院教授
    梁浩一・漢陽大学教授
    sun young,KIM・漢陽大学講師
    張駿・北京中央美術学院電脳美術工作室主任

内 容 各国のデジタルアートの現状 最新CG動画の上映

出席者 協賛企業、協力団体、アドバイザー、中国・韓国のアーティスト
    ディジタル・イメージ会員作家、報道関係者、一般


■特別セミナー
ディジタル・イメージ2001東京展特別セミナーを、4月28日(土)午後、新橋の徳間ホールで開催しました。ふだんは映画の上映が行われるというだけあって、映像の上映効果は満点、3か国交流セミナーの会場として、ホスト側として自慢できるような設備、雰囲気でした。残念ながら広報が行き届かなかったこともあり、会場の椅子を全部埋めることはできませんでした。司会は運営委員の川口吾妻。中国、韓国、日本の順で講演、上映が行われました。

中国
張駿(Zhang Jun)氏は1954年上海生れ。北京中央美術学院卒業。フランスに留学、CGを学ぶ。北京中央美術学院副教授電脳美術工作室主任を経て、現在、北京放送学院アニメ学院副教授。演題は「中国デジタルアートの現状」。CGが使われている現状のレポートで、日本語による画面プレゼンテーションが行われました。教育分野、映画とテレビ、代表的な制作会社、出版物、コンテスト、交流活動などがわかりやすく語られ、中国のCGの現状が理解できました。問題点として、技術と芸術の接点にギャップがあること、アーティスト・クリエイター団体の国内・国外との交流の不足があげられていました。2008年の北京オリンピック招致のためのCGアニメーション映像を中心に、動画の紹介がありました。

韓国 
まず、ho il,YANG ハンヤン大学応用美術学部教授の挨拶がありました。YANG氏SDIA(ソウル デジタル イラストレイターズ アソシエイション)と、SDFS(ソウルデザイン フォーラム ソサエティ)両者の代表です。
講演は、sun yong,KIM氏。ホンイク大学で、学士号を取得。ヨンセイ大学で伝達学および美術の修士号を取得。現在、LG電子デザインセンターのプロダクトデザイナー。
D.I.C,CA. Pre-Production キャラクターデザイナー。ハンヤン大学で応用美術部の講師をなさっています。演題は「韓国におけるコンピュータグラフィクス界の適用事例」。代表的な制作会社の作品紹介ばかりでなく、各社の代表にインタビューしたビデオを上映しながらの講演で、今回のセミナーのために特別に編集制作されたようです。わたしたちになじみの深いTVCMのいくつもが韓国で制作されていたとは驚きでした。現在は、デザイナーにとってはアナログからデジタルへの乗り換えの時代で、アナログ世代は悩み多いとのことです。

日本
河口洋一郎氏は、現在、東京大学大学院情報学環教授で、日本を代表するCGアーティストです。演題は「日本のデジタルアートの可能性」。大学院情報学環の紹介のあとは、アジアのデジタルアートにたいする熱烈なメッセージでした。なぜか世界がハリウッド的なものをまねしているが、ネットの時代である現在は一番いいものしか残らない。だからこそ、欧米の真似ではなく、アジアのそれぞれの国独自の文化を大切にして、他に類型のない作品を作ることが大切である。デリケートなセンス、優れた自然観など、アジアの強い遺伝子を!。今回のイベントは、アジアグラフ第0回と位置づけてよいと思う。歴史に残る快挙である。これがきっかけとなり、アジア圏の交流が深まることを期待する。という内容でした。上映された新しい作品は、物質と反物質のたたかいという壮大なテーマで、3か国のアーティスト・クリエイターは熱心に鑑賞していました。



■レセプション
セミナーのあとは、会場を銀座高松に移し、来日された中国・韓国のアーティスト、日本側の来賓、運営委員など約50名が一堂に会するレセプションが行われました。勝井三雄氏も途中から参加されて、河口洋一郎氏と一緒に中国、韓国の訪日メンバーと何度も記念写真におさまり、また両氏は彼らからのいろいろな質問にていねいに応じ ていました。
日本側来賓として、社団法人日中協会常務理事・白西紳一郎氏、財団法人画像情報教育振興協会専務理事・秋葉俊幸氏、日経BP社 WORLD PC EXPO事務局長・土屋悦則氏からスピーチをいただきました。中国語、韓国語、英語、日本語が飛び交い、満足なコミュニケーションがとれなかったかもしれませんが、それなりに交流が深まったと感じます。中国から10名、韓国から21名の参加がありました。


■展覧会会場のようす

中国、韓国からの作品がB1サイズで49点、日本の作品もB1サイズで47点あります。中 国、韓国からはデータだけを送ってもらい、セイコーエプソン株式会社のご協力で49点のすべてを出力しました。このデータはほんらい作品集用のもので、サイズが小 さすぎるのもありましたが、B1の中に複数点を配置するなどして、パネルのサイズは 統一しました。 今回は壁面を特設しませんでした。日本の作品は周囲の壁面全面に、作品の裏面に発 泡スチロールをかませて、浮かせて展示しました。中国、韓国の作品は3点1組にして 三角形に組合せ、天井から吊るのがメインで、吊れないところではスチロールの台を 設けて上に載せ、あるいは柱の周囲に浮かせて巡らせました。立体的な面白い展示に なりましたが、冷房の風でやや揺れたり、人がぶつかることもあったようです。

会場のほぼ中央に丸い大きなテーブル状の台を設け、アップルのiMacを5台セットし ました。ここでは、B1静止画の展示に参加していないアーティストの作品も見られます。データベースをHTMLで50音順に組み上げ、検索できるようになっています。観客が多いときは順番待ちになりました。

また、会場のコーナー3箇所には、アップルの G4 Cubeとスタジオディスプレイのセットが3つあり、会員0000名のつくったアニメー ションを見られるようになっています。自動的にエンドレスで流れるものと、作家を 選択して作品を見られるものとがありました。

小会場の方は、まずプロジェクタで動画の大映写がおこなわれています。5人の作家 の作品は合計で35分間、見応え充分でした。また、エプソンのPCが5セット設置され、iMacと同じく、会員作家の作品を検索して見られます。

そして、インタラクティブで楽しめたのが、出渕亮一朗さんの「Dog'N'Dhole」。画面の不良がかった犬が、 前にすわる観客に話しかけ、いろいろな対応をする面白いプログラム。とくに子供の人気者でした(親子連れの多いのもこの展覧会の特徴です)。


参加アーティスト

日本
・静止画B1作品
雨宮由里子 石川浩二 井上和洋  岩渕泰治 岡達也 小笠原たけし 加藤俊明  叶精作 川本O.規子 岸啓介 北岡久美子 木村智博 國島宣弘 楜沢順 桑島幸男 小澤貴也 齋藤 浩 鈴木 守 成 光雄 関谷哲史 ソネハチ タカセマサヒロ 瀧澤謙司 武田瑛夢 田中修一郎 ダバカン 所 幸則 富岡 聡 ドルバッキーヨウコ 中川悠京 永吉克之 七水号多 花山由理 HAL 檜山 巽 松林あつし 松本明彦 三河一郎 武藤 修 村上佳明 望月澄人 山田真屋 山本里士 弓田純大 吉井 宏 ラジカル鈴木 Rey.Hori 渡辺秀樹

・プロジェクタ上映作品
高橋信雄 森野和馬 大場康雄 富岡 聡 笹原和也 

・PCで見るムービー作品
雨宮由里子 アライ・マサト 荒木慎司 石川浩二 岡部タカノブ 小川アリカ 川野隆司 北岡久美子 喜多見康 高橋里季 ダバカン 所 幸則 ドルバッキーヨウコ HAL_ HIYAMA OFFICE ふじいはるお+藤井啓誌 吉井 宏 ラジカル鈴木 ROGMA6

・パソコンでの静止画作品
展示(ブラウザでの簡易検索型)
ディジタル・イメージ会員、中国、韓国合計215名 578作品
(会場内パネル展示作品と一部重複)

・インタラクティブアート
出渕亮一朗

中国
・静止画B1作品
Zhang Jun Wang Qie-Li Chen Da-gang Chen Yue/Wu Wen-yue HAWK MAN Du Zhen-guang FireDD Jia Qiang Gu Juyi Mao Xiao-long Liu Jia-jun Deng Xiao-Shan Zhai Yuping The Divine Land Yuan Yu-feng Lin Tao Bearking Liu Yue-tao Pan Lei Jiang Wei Luo Tian-peng Li Meng

韓国
・静止画B1作品
heung ryol,CHOI chi Kwon,CHO hye jin,CHO hae won,KOO ho il,YANG hyonk keun,OH hyun eung,KANG jae lin,LEE jae weon,KIM jeong joo,KIM ji sung,SONG  jun kyo,KIM jeong kee,PARK jung hwan,KIM kun hyng,YOO moon seock,KIM moon seock,OH sang bok,LEE sang hee,PARK seung hwan,LEE soon suk,JANG sun yong,KIM sung hoon,KIM yoon seob,HAM young ho,KIM young ryol,KANG hee jin,CHUNG




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■展覧会入場者数
合計約3900名
▼昨年、一昨年にくらべて観客の人数は増加しています。企画の新規性、広報の力の
いれ具合、そしてゴールデンウィークの構造などが要因とみられます。たえば昨年は
大型連休となったため、展覧会より郊外へという傾向があったように思われます。今
年は平日が2日間はさまれていたため、特にその日に観客が多かったようです。
■広報の実績

事前の記事掲載

・MdN 5月号
・朝日新聞マリオン
・ぴあ
・週刊宝島
・日経デザイン
・イラストレーション(玄光社)
・CG WORLD(ワークスコーポレーション)
・チャイニーズドラゴン新聞
・メールマガジン 日刊デジタルクリエイターズ
・メールマガジン インターネットウォッチ
・メールマガジン デイリーM
・イベントNAVI(乃村工芸社)
・メールマガジン Art&ScienceNews
・メールマガジン ちょっと知的なエンターテインメント
・メールマガジン  SANYO iDshot Mail
・メールマガジン MacWIRE Express
・All about JAPAN/CG
・All about JAPAN/Virtual Beauty
・All about JAPAN/韓国インターネット 事情
・All about JAPAN/中国
・メーリングリスト Media
・Studio MOMO
・ジャパンデザインネット DESIGN   EVENT ACE 
・中国情報局SEARCH CHINA
・C-en mail service

DMの配布
ワシントンアート、イマジナリーガーデン路地裏の動物園展会場、デザインテクノロジー専門学校、新宿-ScottRossDIgitalSchool、東京工業専門学校、デジタル東京専門学校、京都嵯峨芸術大学短期大学部、東京デザイナー学院、千葉商科大学、千代田工科芸術専門学校、朝日新聞社、デジタルハリウッド@東京校、DH@渋谷、DH@横浜、ギャラリーハウスMAYA、ピンポイントギャラリー、ニチメンマシナリー、アースディイベント会場、WAO!新宿校、WAO!横浜校、WAO!大阪校、WAO!神戸校、WAO!京都校、札幌市立高等専門学校、藤井啓誌個展会場、お茶の水美術専門学校、女子美術大学メディアアート学科、インプレス、MdN、山脇美術専門学校、都立工芸高校、大阪府立現代美術センター、阿佐ヶ谷美術専門学校、中央美術学園、日本デザイナー学院、日本工学院専門学校、東洋美術学校、東京ミュージック&メディアアーツ尚美、東京デザイン専門学校、桑沢デザイン研究所、アーバンデザインカレッジ、日本電子専門学校、横浜デジタルアーツ、バンタンデザイン研究所、バンタンキャリアスクール、総合電子専門学校、インターメディウム研究所、アルスコンピュータ専門学校、東京ビジュアルアーツ、ITC、第13回CGアニメコンテスト入選作品発表会会場、出展作家、そのほか 約18000枚を配布

事後の記事掲載
・Agostoデザイングラフィックスで特 集12ページ
・WinGRAPHICS(エムディエヌ)
・MdN
・CG WORLD

テレビの取材、放送
・NHK総合 ニュース 4月29日放送
・NHK BS 真夜中の王国 5月2日放送
・テレビ朝日 D's Garage21 6月放送 予定
アンケート分析(計205)
この展覧会を何で知りましたか?
・ぴあ 5
・朝日新聞 3
・日経デザイン 1
・インターネット 19
・事務局からのDM 43
・作家からのDM 11
・友人からの情報 29
・学校の告知 77
・その他 17

年齢別
・15歳 4 ・16歳 4 ・17歳 4
・18歳 43 ・19歳 16 ・20歳 18
・21歳 10 ・22歳 4 ・23歳 7
・24歳 4 ・25歳 1 ・26歳 9
・27歳 6 ・28歳 2 ・29歳 6
・30歳 5 ・31歳 3 ・32歳 2
・33歳 3 ・34歳 3 ・35歳 3
・36歳 2 ・37歳 1 ・38歳 0
・39歳 1 ・40代 7 ・50代 6
・60代 3 ・70代 3 ・不明 19

職業(計205)
・学生 110 ・会社員 41 ・デザイナー 14
・イラストレーター 3 ・専門学校講師 3 ・公務員 2
・その他、無記入 32  

学校(計110)
・女子美術大学 40 ・都立工芸高校 8 ・多摩美術大学 8
・宇都宮メディアアーツ 3 ・武蔵野美術大学 2 ・東京工業専門学校 4
・アミューズメントメディア総合学院 2 ・東京コミュニケーションアート 2 ・駿台学園高校 2
・その他、無記入 39  
▼今回は会場レイアウトの都合もあり、アンケートに記入するデスクと椅子をとくを設けていなかったせいで、アンケート回収率は著しく低く、これをもって全体の観客を分析するのは不可能に思われます。が、おおむね言えることは、DMという印刷物は相変わらず効果的で、アンケートでみる限りインターネットからの情報受信は予想外に低いものでした。観客の主たる層は学生と会社員です。3か国交流展という企画に対して、従来の客層との変化ははっきりとは見られませんでした。

中国と韓国の作品について(アンケート回答から)
・技術的には3〜4年前の日本の作品のように見受けられるが、新鮮でもあった。韓国の方は、色の使い方が斬新というか、原色的な感じがして強烈に感じた。 36歳・会社員

・思っていた以上に、技術的にも感性的にも優れていて、それぞれに民族性がかんじられて、日本作家との微妙な肌合い、文化性の差異なども伺われ、興味深く拝見しました。 54歳・印刷会社社員

・日本とくらべても技術的に変わらない高さだと思いました。国を連想させるグラフィックもあったけど、どれがどの国の作品なのかわかりませんでした。カオスっぽいイメージが多かったです。 19歳・美大生

・とてもきれいで、もっとたくさん展示して欲しいです。国なんか関係ないです! 
15歳・高校生

・中国は、まわりのものを対象、材料にしたものが多い。構図も繊細なものが多く興味深かった。韓国は、米国っぽいコンセプトが明確。主張が全体からにじみ出て、いい作品が多かった。 29歳・会社員

・各国独自の芸術文化、背景などが色濃くあらわれているものにCGがなじみかけているものが面白かったです。 23歳・会社員

・画像処理中心の作品が多いようですね。日本人作家の作品のほうがより東洋的なモチーフが多いような印象を受けました。これからも、毎年アジアの国の作品を展示してほしいですね。 29歳・CGデザイナー

・中国の作品は、その国独自の文化を感じさせるものが多かった。それに対して、韓国は作家によって異なる意志表示がされていて面白いなあと感じた。 18歳・美大生

・日本の作品にくらべてやや暗いイメージを感じました。でも、それぞれの文化などはとてもよく表現できていてよかったなと思いました。なんと言えばいいのかわからないけど、デザインってやっぱりいいなと思いました。 18歳・美大生

・失礼とは思いますが、期待していたより個性的な作品が少なかったように思う。というのは、CGを覚えたての日本人アーティストの作品のイメージというか、そんなのに近い感じがしたからで、けっして作品が悪いというのではないです。意図していること、伝えたいことが伝わりにくいと思いました。でも中にはすばらしいなと思うのもありました。 32歳・デザイナー


展覧会全体の印象(アンケート回答から)
・3年連続で来ていますが、技術的にいかにもデジタルっぽいものが少なくなってきて、アナログ風になってきているところが、癒し系、ヒーリングとなり心が和む感じがしました。とてもいい傾向だと思いました。 36歳・会社員

・前の回よりすっきりした配置で見て回りやすかったです。またグッズ販売なども行ってください。本当はもっと広い会場で、今回参加されていない作家さんたちの作品もたくさん見たかった。 23歳・デザイナー

・会場にいた人はみな親切でうれしかったです。パソコンでいろいろ見られるのもとてもうれしかったです。15歳・高校生

・作品点数のわりにとてもひらけた空間配置になっていてよかったです。アニメーションも増えていたようで、こういった短編アニメが好きなわたしにはうれしかったで
す。 27歳・会社員

・回を追うごとに、ツールに使われている感じからアートとしての作品がふえてきた気がします。こなれてきたということなんでしょうか。この展覧会をいつも楽しみにしています。 29歳・会社員

・展示サイズが同じで、プリントした紙に特徴が乏しく、少しがっかりしました。内容は別にして、見せ方に面白みがないのは残念です。キレイ過ぎ。あと、パネル張りの荒いのとか、細かいところが気になりました。いいものはたくさんありましたけど。今回は辛口。 26歳・デザイナー

・観客が多かったせいで、PCがなかなかあかなかったのが残念でした。次回も来たいと思います。 23歳・会社員

・スペース、人数の制約はあるのでしょうが、パネルでの展示が1点ずつというのは少々さびしい気がします。また、今回は3DCGに偏重した観があります。むしろ、平面的な作品が新鮮に見えるのは私が食傷気味だからでしょうか。 26歳・会社員

■挨拶 3
私どもディジタル・イメージの展覧会もすでに10年の歴史を数えますが、今年の開催から私も運営委員の一人としてこの展覧会に参加させていただきました。今回は表題にありますように、初めて中国、韓国の作家をお招きしての展覧会開催ということでたいへん緊張し、胃の痛む思いでした。作家として、作品の出来で悩むことはあってもこのような経験は初めてで、いかに今まで展覧会が多くの方々の努力で支えられていたか、改めて気がつきました。
折しも、間が悪いことに、ちょうど教科書問題、台湾要人の日本訪問問題などで中国、韓国からのお客様の来日に支障が出るのではないか? 展覧会も開催できないのではないか? と本当に心配いたしました。しかし、関係する方々の誠意と努力によって、無事開催の運びとなり、蓋を開けて見れば 、マスコミの取材、来場者数とも昨年、一昨年をはるかに上回り、大成功となりました。
まだ見ぬ中国、韓国のCG作家の作品展を併設するということで、CG関係者のみならず多くの方々の期待を膨らませたのでしょう。連日たくさんのお客様においでいただき、日にちによってはゆっくりご覧いただけないほどで、嬉しい誤算でした。
セミナーやレセプションパーティーでは、中国、韓国、日本の作家と関係者が展示作品を前に、あちこちで話し込む場面が見られ、通訳がひっぱりだこでした。
日本を代表してセミナーでの講演をいただいた河口洋一郎氏(東京大学大学院教授)はレセプションパーティーの席上で「今回のこの活動は、これをアジアグラフの第0回と呼ぶべきである、と思うほど意義深いものがある」とスピーチされるほど喜んで下さり、各国参加者もたいへん感激し、和やかな交流が行われました。
展覧会の内容と意義に興味を持って下さった関係者からのご縁で、9月に幕張で開催されるPC WORLD EXPO2001への招待展示も決定いたしました。さらに大勢の方々に、中国、韓国、日本の友好の未来を指し示すCG作品をご覧いただける機会となります。
このような展覧会の機会をいただけたことは、今回の企画展が社会のニーズに応えうる内容であったことの証明だと受け止め、今後も一層の努力したいと思います。

喜多見 康(運営委員)

4月末「ディジタル・イメージ2001 〜中国・韓国・日本 ディジタル・アートの現在〜」が開かれました。20世紀末から21世紀初頭にかけて開催された、北京での「ディジタル・イメージ中国展」の興奮も覚めやらぬ間に、こんなにも早く3カ国のアーティストが集まる展覧会ができたことを夢のように、また大変うれしく思います。
今回の展覧会は、一アーティストとして、アートが持つ平和で明るい世界を築いて行く力を、考えるきっかけを与えてくれました。個人一人一人の力を信じ、一人一人の付き合いから3カ国へ、そしてアジアへ、やがては世界中へと交流を深め、新しい未来を築いて行きたいと考えます。
展覧会開催に御尽力頂いた関係者各位にはお礼申し上げます。ありがとうございました。

松本明彦(運営委員)